DXセミナーで学んだ製造業の最新事例とポイント~メタバース×デジタルツイン、ノーコード活用、オブザーバビリティーとは~

こんにちは。先日、DXセミナーに参加してきました。そこで聞いた製造業の最新事例とポイントを紹介したいと思います。

 

まずは、メタ産業革命という言葉をご存知でしょうか?これは、デジタルツインとメタバースの活用や融合によって生まれる新たな変革を指します。デジタルツインとは、現実世界の物理的な対象をデジタル上に再現する技術です。メタバースとは、仮想空間で様々な体験ができる環境です。

 

製造業では、これらの技術を使って生産性や品質を向上させたり、新しい価値やサービスを創出したりする事例が増えています。例えば、

  • 富士通株式会社では、FTCP(フューチャートランスフォーメーションコラボレーションプラットフォーム)というデジタルツイン・メタバースプラットフォームを開発しました。これは、製品開発から生産・販売・保守までの全工程を仮想空間でシミュレーションしたり、共同作業したりすることができます。

  • トヨタ自動車株式会社では、工場IoT(インダストリアルインターネットオブシングス)プロジェクトを推進しています。これは、工場内の機器や人員などの情報をリアルタイムに収集・分析し、生産効率や品質管理などに活用することです。

  • ダイキン工業株式会社では、工場IoTプラットフォーム「D-SMART」を構築しました。これは、「D-SMART FACTORY」、「D-SMART SERVICE」、「D-SMART SOLUTION」の3つのサービスからなります。「D-SMART FACTORY」では、工場内外の情報連携や遠隔監視・制御が可能です。「D-SMART SERVICE」では、エアコンなどの製品情報や故障予測が可能です。「D-SMART SOLUTION」では、エアコン以外の空調設備や建物全体の最適化が可能です。

 

このように、製造業ではDX化によって多くのメリットが得られています。しかしDX化には課題もあります。その一つが人材不足です。DX人材とはデータやデジタル技術を使って企業変革ができる人材ですが、

 

日本経済新聞社が実施した調査によると、DX人材の不足は製造業で最も深刻で、約8割の企業が人材確保に苦労していると回答しています。

 


では、DX人材を育成・確保するにはどうすればいいのでしょうか?その一つの方法がノーコード活用です。ノーコードとは、プログラミングやコーディングなしにアプリやシステムを開発できる技術です。例えば、

  • アステリア株式会社では、Platioというノーコードプラットフォームを提供しています。これは、現場主導でデジタル化を推進する解決策として注目されています。Platioでは、自社の業務に特化したモバイルアプリを簡単に作成・運用できます。

  • 三菱重工業株式会社では、グループ内のDX推進部門「MHIデジタルトランスフォーメーションセンター」が設立されました。この部門では、ノーコード開発ツール「Quick Base」を活用しています。Quick Baseでは、現場からニーズが出た際に素早くアプリケーションを作成・改善できます。

 


このように、ノーコード活用によってDX人材の育成・確保が促進されています。しかしノーコードだけではなく、コーディングも必要な場面もあります。その一つがオブザーバビリティーです。

オブザーバビリティーとは、システムやサービスの状態やパフォーマンスを可視化・分析・最適化する能力です。
製造業では、IoTやクラウドなどの複雑化したシステムやサービスを管理・運用するために必要な技術です。

  • New Relic株式会社では、「New Relic One」というオブザーバビリティー・プラットフォームを提供しています。これは、システムやサービス全体の可視化や異常検知・原因分析などが可能です。


以上がDXセミナーで学んだ製造業の最新事例とポイントです。メタ産業革命から始まり、ノーコード活用やオブザーバビリティーまで幅広く紹介しました。

 

製造業はDX化によって大きく変わりつつあります。皆さんもぜひDX化に取り組んでみてください。